データセンターとは?クラウドとの違いや選び方などを徹底解説

日本は災害大国といわれていますが、近年は特に自然災害が数多く発生し、甚大な被害をおよぼしています。企業は災害に対するリスク管理のため、災害時でも問題なく事業が継続できるようにBCP対策をさらに強化しなければなりません。また、企業に対するサイバー攻撃も高度化し、さらなる対策の必要性が高まっています。これらの課題解決のため近年注目されているのがデータセンターの導入です。今回はデータセンターに注目して、クラウドとの違いや選び方などを徹底解説します。

■データセンターとは?

データセンターとは、企業などが事業を行うために必要なIT機器をまとめて設置できる建物や設備・施設のことを指します。

ここでいうIT機器とは、サーバー・データ通信、電話装置などで、ばらばらで配置されていたものを集約して設置して置いておく場所やスペースがデータセンターと呼ばれます。

データセンターはIT機器をまとめて置くという役割のためにつくられるため、普通のオフィスなどに比べて、IT機器を動かすための設備が整っています。たとえば、大規模な光回線が設置され、大量に通信回線を使用することが可能です。

データセンター設置にあたっては、自然災害や火災、停電などのリスクに備える点も最重要視されています。特徴として以下の点がみられます。

・ データセンターのある建物や設備・施設は耐震構造

・ 停電等に備えて、蓄電池・発電装置等が設置されている

・ 火災時にIT機器への影響を極力抑えるために、スプリンクラーを採用せず、二酸化炭素やフロンガスの消化設備を備えている

IT機器をまとめておく場合は、空調管理のための空調設備が必要です。特に機器が動くときに発する熱量に対する対策として、温度や湿度管理を備えた空調管理設備が整っています。

■データセンターサービスの種類

データセンターは、企業などが事業を行うために必要なIT機器をまとめて設置した建物や設備・施設のことを指しますが、サービスとして「ハウジング」と「ホスティング」という2つのサービスを提供しています。

・ハウジング
ハウジングとは、自社のサーバー・データ通信、電話装置などのIT機器をデータセンターに設置するサービスです。IT機器を自社のオフィスに置いておくことによる悩みやデメリットを解消するために役立ちます。たとえば、BCP対策やセキュリティ対策がこれにあたります。

ハウジングによって、自社から対応可能な設定やメンテナンスは遠隔で実行し、データセンターに直接出向かなければならないトラブル以外は、データセンター側に任せて運用が可能です。

・ホスティング
ホスティングとは、ハウジングのサービスに加え、サーバー・データ通信、電話装置などのIT機器をデータセンターが貸し出すサービスです。企業は、経営に必要なIT機器とIT機器を置いておく建物や設備・施設をセットで活用できるため、機器導入にかかる手間と時間、リソース、費用などを削減することが可能です。ただし、データセンターによって提供できるサーバー・データ通信、電話装置などのIT機器は異なるため、企業が必要とするIT機器がすべてそろうとは限らない点は注意が必要となります。

■データセンターとクラウドとの違い

クラウドを提案している事業がデータセンターであるとか、クラウドとデータセンターは同じサービスであるといった考え方があるようですが、クラウドはデータセンターのサービスのひとつではありません。ここでは、データセンターとクラウドの違いを解説します。

クラウドは、インターネット上でクラウド側のサーバーやネットワークを利用するサービスです。一方データセンターは企業のサーバー・データ通信、電話装置などをまとめて置く建物や設備・施設になります。

データセンターは企業のサーバー・データ通信、電話装置を使うので、自社に合ったカスタマイズが可能です。一方で、クラウドは原則カスタマイズは困難ですが、サーバーやネットワークの管理をクラウド側に任せてしまうことができるので管理のための時間とリソースを削減できる可能性があります。

データセンターを活用するのが良いのかクラウドを活用するのが良いのかという点は、企業のニーズによって異なります。

■データセンターのメリットデメリット

データセンターのメリットとデメリットは次の点があります。

メリット

・ IT機器を稼働させるための設備であるため最適な環境が準備できる

・ BCP対策に活用できる設備が整っている

・ 自社のオフィスのスペースをIT機器用に使用しなくてよくなる

・ 活用方法を工夫することでコスト削減につながる

デメリット

・日本でのデータセンター事業は事業としては新しく、認知度が低いため活用メリットの認識度もまだ低い

・ 海外ではすでにデータセンターの企画・標準化がすすんでいるが、日本は遅れている

・ データセンターを運営・提案する企業がまだ少ない

■データセンターで解決できること

データセンターを活用する事で解決できる点は以下の4点です。

1.データセンターを活用する事で、予期せぬ自然災害が起きた時でも、サーバーを安定的に稼働させられるため、事業継続に必要な機器が停止することがない環境を整えることができます。

2.ITシステムの一部を外部に委託する、または、都心部にラックを借りて運用したいがコストが気になる場合、データセンターで運用を委託することでコストを抑えて運用できます。

3.自社のサーバーのセキュリティに不安がある場合、データセンターを活用する事で高度なセキュリティ環境を手にすることができます。

4.サーバーを郊外においている場合、問題が起きた時に駆け付けるまでに時間がかかってしまう場合は、都心部にあるデータセンターを活用する事で問題は解決します。

■データセンターを選ぶポイント

最後に実際にデータセンターを選ぶ際のポイントを4つ紹介します。

1.アクセスの良さと災害に強い立地
データセンターは、サーバーにトラブルが発生した時など、すぐに駆け付けられるように、アクセスがいい場所にあることが条件になります。たとえば、首都圏であれば東京23区にデータセンターがあることが理想的でしょう。なおかつ駅からも近いとさらにアクセスがよくなります。

予期せぬ災害リスクに備えて、地盤が強い場所にデータセンターがある点も確認します。東京都であれば危険度特性評価で災害時最も安全とされているAAAの地区などが最適です。

2.自社に合ったサービス
データセンターを選ぶときには、自社のニーズに対応できる運用サービスが用意されているかを確認します。また、導入時や導入後のサポートも選ぶ際のポイントになります。

3.高度なセキュリティ
高度なセキュリティが整っているかも確認します。データセンターのセキュリティとして、24時間365日の有人監視、監視カメラ、ICカード等のセキュリティシステムの他、体重や外形を計測して共連れを防ぐセキュリティポータル、静脈認証等などがあります。

4.費用対効果が高い
データセンターを導入するときには、費用対効果が高いことも重要なポイントになります。

データセンターを検討する場合、データセンターを専門に運用している企業に相談するのも良い方法です。

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